子育てのための医療 | ならざき小児科 - Part 5

福岡市東区和白 医療法人育慈会 ならざき小児科

子育てのための医療

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クマさんの「おめでとう」

 すっかり春爛漫。卒園・卒業、そして、入園・入学のシーズンです。桜が咲き、新しい生命の息吹に満ちあふれたこの季節に人生の門出を迎えるのは、実にピッタシのタイミングだと思います。

 卒園・卒業、そして、入園・入学のみんな、おめでとう。

 新しい環境に入っていくのを楽しみにしたり、ちょっぴり不安に思ったりするのは、こどもたちだけでなく、お母さんやお父さんがたにも言えることかもしれません。

 クマさんの家にも、成人して社会に出るコグマが1頭、大学に入るために家を出ていくコグマが2頭います。自分で決めた人生を歩み始めたわけです。みんなうまくやっていけるかな、と不安がないわけではありませんが、クマさんはそんな心配はおくびにも出しません。こどもたちを信頼して、たとえ初めからうまくやっていけなくても、そのうちに自分のペースをつかんでいくに違いないと思っているからです。それは、これまでだって、学校で問題児扱いされたコグマも、不登校になりかけたコグマも、みんな自分で立派に立ち直ったからです。かえって、そのようなつまずきが彼らを強くしたんじゃないかと思っています。

 うまくやるコツは、初めから完璧を目指さないことです。プレッシャーを感じさせずに、新しい環境を楽しませましょう。ちょっとした失敗はユーモアでほぐしてあげましょう。些細な成功でも最大の賛辞を惜しまないようにしましょう。「わー、すごいね」、「やったねえ」、「尊敬するよ」、「さすがはお父さんのこどもやね」………。1学期の終わり頃までに、幼稚園や学校のルールや友人関係の中でも、自分らしさを失うことなく楽しく過ごせるようになっていたら大成功です。

 そして小さいお子さんには、伝染病対策を十分にしてあげましょう。せっかく楽しく通い始めた幼稚園や保育園も、いったんはやり始めると病気の巣窟と化します。次から次に病気をうつし合う様子は先進国の姿ではありません。おたふくかぜも水ぼうそうも、いったんかかってしまうと1週間は休まざるをえません。こどもたちにとっては、病気になることも苦痛ですが、登園できないことも苦痛です。ましてや、合併症のために入院にでもなれば悲惨というものです。体調が良いときに早めに予防接種を受けさせてあげましょう。

 NCCのギャラリーも、黄色の帽子をかぶりカバンをぶら下げてうれしそうなトトロと楽しそうなフクロウの学校がお目見えし、ヤル気であふれています。いい季節ですね。 

(2001年3月27日)

クマさんの「そんなバカな!」

 当院の感染外来は伝染力の強い病気の診療をおこなう部屋です。待合室や診察室での感染を予防するために作りました。少々狭い空間ですが、2つの部屋それぞれにエアコンと換気扇をそなえ、完全に隔離できるようになっています。受付・診療・会計・薬の説明、トイレのすべてをこの感染外来の中で済ますことができ、一般の患者さんとは動線が交わらないようにしています。

 開院以来この部屋を使わない日は珍しいくらいで、中には2部屋とも使用中にもう一人患者さんが来られ、しばらく車の中で待っていただいたこともありました。予想以上の利用頻度です。開業するまでは、日本のこどもたちは予防接種をどんどん受けているからそんなに使うことはないだろうと思っていたのですが、とんでもない見当違いでした。

 平成13年2月10日現在での感染外来利用者の内訳は、(1)流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)のべ110/実数59人、(2)水痘(水ぼうそう)46/22人、(3)溶連菌感染症37/12人、(4)麻疹(はしか)14/8人、(5)手足口病6/6人、(6)伝染性紅斑(りんご病)7/3人です。このうち入院したお子さんが2人いました。

 これに関連して、僕が「そんなバカな!」と思ったことを紹介します。

 まず第一は、おたふくかぜにかかったばかりのお子さんに「熱が下がったら発表会に出てきてね」と指導する幼稚園があったこと。予想通りの大流行となりました。耳下腺が腫れている間はウィルスの排泄が多いので他の人にうつしやすく、学校保健法で腫れがひくまでは出席停止とされているのに、そんなバカな!

 次に、園児の間で流行している感染症の情報を保護者に連絡しない保育園があったこと。麻疹や水痘は、患者と接触して数日以内ならワクチンの緊急接種で発病を阻止できます。発病を確認したら早急に連絡すべきなのに、そんなバカな!

 最後は、「どうせかかるなら早くかかった方がいい」と、よりによってNCCの感染外来に入っているおたふくかぜのこどもさんと我が子を同室させたお母さん。わざとうつすなんて、そんなバカな!

 どれも、「おたふくかぜや水ぼうそうは軽い病気だから」という気持ちに根ざしたものでしょう。

 でも、おたふくかぜは頻繁に髄膜炎を合併しますし、1万人に1人くらいですが高度難聴が残ります。こども病院時代には、脳炎を合併して亡くなったお子さんをみたこともあります。水ぼうそうでは脳炎(小脳炎)をときどきみましたし、脳梗塞発病例もありました。仮に頻度が1万人に1人であろうと、身近なこどもがそのような合併症にかかるようなことがあれば、大人の考え方もきっと変わることでしょう。

 最後につけ加えておきますが、普通の軽い経過のおたふくかぜや水ぼうそうであっても、かかっているお子さんにとっては大変不快な状態ですし、幼稚園や保育園を1週間も休ませる親御さんにとっても大変迷惑な状態だと思います。

 はしかの撲滅に関して言えば、日本は先進国の中で最も遅れた国です。その根底には、感染症に対する意識がまだまだ低いことも大きな原因になっていると思います。

 NCCは今年もワクチン推進運動に力を入れます。

(2001年2月15日)

クマさんの「待たせてごめんね」

 最近患者さんが多くなり、診察までの待ち時間が長くなってきました。長い場合には1時間以上お待たせしているようです。本当に申し訳ありません。いずれ(近いうちに)予約制を導入して待ち時間を解消し、待っている方たちはもちろん、待たせてしまっている僕たちスタッフもストレスを感じなくてすむようにしたいと考えています。

 ただ、小児科診療所の特徴としてどうしても急を要する患者さんが多いので、歯科クリニックのような整然とした予約システムはむつかしいと思います。けいれんがおこっているこどもさんや、呼吸状態が悪いこどもさんを優先してみるのはあたりまえですし、再来の患者さんと初めての患者さんとではかかる時間が異なるのも当然のことです。ですから、予約システムを導入しても、場合によってはある程度の待ち時間を我慢していただくのは致し方ないことだと思っています。

 そこで、NCCでは待ち時間の苦痛や退屈を軽減して、多少は有意義な時間にしていただこうと、いくつか工夫をしています。ヒーリング系を主体としたくつろげる音楽、毎日中身が変わるディスプレイ・ニュース、こどもたちのおもちゃ、ぞうさん文庫、自家製の各種パンフレット、そしてこどもや育児に関するニュースを集めたニュースファイルなどです。また、待合室に自由に使っていただけるコンピュータ(マック)を置くことも検討しています。

 ここで、待ち時間に関連して、お母さんたちにお願いしたいことがあります。ときどき、「薬だけ」あるいは「検査結果の説明だけ」という理由で診察の順番を早くしてほしいと、受付で言われる方があります。当院では、原則として直接話も聞かずに投薬することはしません。検査結果の説明も、今後の治療方針や生活指導に関わってくることですから場合によってはすごく時間を要します。以上の理由から、「薬だけ」も「検査結果の説明だけ」も来院された順番で診療を進めることをご理解ください。

 お母さん方は、かぜで受診したついでに発達のこと、育児のこと、兄弟のお子さんのことなども質問したいだろうと思います。僕は、それはとても大切なことで、できるだけ相談にのりたいと思います。僕自身も、病気のことや薬のことをお母さん方にわかりやすいようにちゃんと説明したいと思います。ですから、今後も必要十分な時間をかけた診療を心がけていくつもりです。

 スタッフ全員が感心していることがあります。随分待っていただいて僕たちも心苦しい思いをしているわけですが、待ち時間のことで苦情や文句を言われたことがほとんどないのです。スタッフ一同、優しい皆さんに支えられているのを実感して、うれしく思っていますが、皆さんの優しさに甘えるだけでなく、待ち時間をできるだけ短縮していく努力をしていくことをお約束いたします。

(2000年12月12日)

クマさんの「読書のすすめ」

やっとぞうさん文庫が定着してきたようです。本の貸出がずいぶん増えてきました。こどもたちもお母さんたちも、たくさん本を読んで下さい。特に、小さいお子さんには、ぜひ絵本の読み聞かせをたくさんしてあげて下さい。こどもたちの心を育て、本への興味を広げ、親子の絆を強めて下さい。NCCも、良い本をそろえて協力します。

 ぞうさん文庫と名付けた図書コーナーは、診察の待ち時間にも潤いと楽しみをと考えたアイデアの一つです。新しく購入した本が主体ですが、僕や僕のこどもたちが読んだ本もけっこうあります。この数年子育てのことを考える機会が多かったので、育児支援に関する本が多いようです。また、絵本の中にはぜひ大人の方に読んで欲しいものも少なくありません。現在、約300冊ありますが、今後もどんどん増やしていく予定です。

 現時点で52冊の本が貸し出されていきましたが、こどもたちに人気があるのはやはりポケットモンスターや機関車トーマスです。お母さんたちには、「だからあなたも生き抜いて」「子どもがそだつ魔法の言葉」「こんな親が問題児をつくる」「子どもに”愛”と”笑い”をもたらす最高の方法」といった本が人気のようです。

 テレビやゲームとちがって、本を読むという行為は想像力をかき立てます。本を読むことに没頭していると、行間からいろんなイメージが浮かんできます。いつのまにか主人公と一体化してさまざまな感情がわき上がってくることもあれば、作者と無言の対話をしている自分に気づくこともあります。

 想像力が豊かなこどもたちにとって、お母さんから本を読んでもらうことはすごく刺激的で幸福な体験だと思います。テレビなんか消して、読み聞かせにふさわしい落ちついた雰囲気を作って、お母さん自身も物語を楽しみながら、ゆっくり感情を込めて読んであげて下さい。長い時間は必要ありません。適当なところで切って、「続きはまたあした」で良いのです。こどもたちは、次回の読み聞かせをワクワクしながら待つことになるでしょう。お母さんたちも、「ふーん、○○ちゃん、そんな風に思ったの。すごいね、やさしいんだね。」と語りながら、わが子の精神的な成長ぶりを感じ取ることができるでしょう。

(2000年11月10日)

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