福岡市東区和白 医療法人育慈会 ならざき小児科

子育てのための医療

クマさんの、福岡市の小児医療体制を考える

 福岡市東区では、2006年に和白病院、今年は千早病院で小児科がなくなりました。九大病院は喘息や肺炎で入院というわけにはいかないので、人口28万人の東区に小児科病床は実質ゼロという状態です。そのため、当院では入院が必要なお子さんには古賀市の国立東医療センターか中央区の福岡市立こども病院を勧めますが、自宅と病院との往来を考えてほとんどのお母さん方は東医療センターへの入院を希望されます。しかし、東医療センターはベッド数が十分ではなく、重症者は受け入れてもらいにくい。また、救急車で患者さんを搬送する時、救急隊は福岡市外への搬送を嫌がるという事情もあります。
 福岡市内には、第1グループとして九大病院(東区)、福大病院(城南区)、こども病院(中央区)、国立九州がんセンター(南区)、国立福岡医療センター(南区)が主として特殊な病気を診る専門病院として存在します。小児科医が5人以上いる(しかし10人は超えていない)第2グループは国立九州医療センター(中央区)、福岡赤十字病院(南区)があります。小児科医1〜3人で切り盛りしている第3グループとしては、九州中央病院(南区)、福岡記念病院(早良区)、福岡逓信病院(中央区)、浜の町病院(中央区)、済生会福岡総合病院(中央区)、千鳥橋病院(博多区)がありますが、当然のことながら収容・対応能力は低いことになります。ほかに、福岡市周辺部には国立東医療センター、徳洲会病院(春日市)があり、福岡市内のこどもたちもたくさんお世話になっています。
 このように、福岡都市圏は施設数も小児科医数も多いので決して小児医療の資源不足ではありません。むしろ、専門病院に関しては充実した地域です。問題は、開業医がみる外来患者(一次医療)のうち軽症〜中等症入院(二次医療)を年中無休で引き受けてくれる病院、小児科医が10名以上配置された二次病院がないことです。また、生命の危険がある重症患者を引き受ける小児集中治療室(三次医療)は現在九大病院・福大病院にありますが、福岡都市圏の規模からすれば病床数がもっと必要です。

 欧米では病院数は少ないのですが、1病院あたりの病床数や小児科医数が非常に多く、年中無休で三次医療まで対応できる体制になっているそうです。このような拠点化、集約化は、何よりもこどもたちのためにありがたい体制ですし、スタッフの勤務体制や検査機器など必要経費の面からも合理的な体制です。日本は世界でも有数の車社会ですから、昔ながらの小規模病棟多数配置ではなく、欧米スタイルに早く切り替えていくべきです。国も日本小児科学会もそのように考え、拠点化、集約化を進める方針を数年前に出しています。北九州市では、すでに小児科医10人以上の拠点化病院が2ヶ所あり、救急医療とも連動して小児医療に大きな貢献をしています。隣の熊本県では、県が音頭を取って集約化を着々と進めています。しかしながら、福岡市では小児医療集約化の論議は公には開始されておらず、非常に遅れていると言わざるをえません。

 福岡市でも病院小児科を集約化(第2グループを中核として第3グループを吸収・統合)することが急がれます。その上で、二次医療だけでなく三次医療にも年中無休で対応できる病院を作る必要があるでしょう。こども病院の移転は絶好の機会だと思います。新こども病院が救急医療にも取り組むなら市内に3ヶ所拠点病院ができることになり、一挙に充実した体制になるでしょう。これは福岡市だけでやれることではなく、大学小児科、病院、小児科勤務医が一緒に知恵をしぼって、英断を積み重ねる作業が必要です。
 こどもたちの命や健康を守るために小児医療体制を再構築すべき時期ですが、なかなか動きが出てきません。こども病院開院の時もそうでしたが、市民特にお母さんがたの声がマスコミ・行政・大学を動かしますので、市民運動が立ち上がるのをクマさんは期待しています。協力も惜しみません。

(2008年9月26日)

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