クマさんの「コロコロくるま、戻っておいで」 | ならざき小児科 福岡市東区の小児科。病児保育も併設。

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子育てのための医療

クマさんの「コロコロくるま、戻っておいで」

 NCCの待合室にはおもちゃがたくさんあります。おもに木製の安全なものを選んで買っていますが、僕自身が遊んでみて楽しいことも購入する際の必要条件です。

 3台連結した木の車が斜面のレールをコロコロと音を立てながら方向変換をしながら走っていくおもちゃは、単純ですが見ていて何だか飽きることがないので、大好きなおもちゃです。こどもたちにも大人気で、いつも待合室からコロコロ、コロコロと音が絶えることがありません。バラバラのパーツを上手に組み合わせて作る目覚まし時計の木製パズルも、曲がりくねったレールに沿っていろんな形、いろんな色のオブジェを目的地まで運んでいくおもちゃも、こどもたちは楽しそうに遊んでいます。

 しかし、残念なことですが、これらのおもちゃのパーツが少しずつなくなっているのです。遊びたいのに遊べないので、「どうしてコロコロくるまがないの」とスタッフに尋ねるこどももいます。

 なくなる理由ははっきりしています。大好きなおもちゃを手放したくないこどもたちは、診察の時でもおもちゃを握りしめて診察室に入ってきます。きっと、そのまま握りしめて家まで持って帰ってしまうのでしょう。悪気なんてまったくなく、ほかのこどもに取られたくない、大好きなものを放したくないだけなのです。ですから、家でこどもさんがおもちゃの一部を握りしめていたり、ポケットの中に入っているのを発見したことがあるお母さんがたが何人もおられることだと思います。でも、非常に残念なことに、なぜかNCCにそれらのパーツが戻ってくることはほとんどありません。

 先日、コロコロくるまのレールが事務室に置いてあるのに気づいた僕が「どうして」と尋ねると、「走らせるくるまがないから。こどもがどうしてくるまがないのかと聞いてくるから」との返事でした。僕は即座に、くるまがなくてもレールを待合室に置くよう指示しました。だって、これぐらいいい教育、しつけのチャンスはありません。「どうしてくるまがないの」とこどもたちに聞かれたら、「だれかがお家に持って帰っちゃったんだ。みんな遊びたいのに困るよね。早く戻ってくるといいんだけどね。」と答えてあげればいいんです。それだけで、おもちゃがみんなのもので、ひとり占めすることが良くないことが、こどもたちにも理解できるはずです。家でNCCのおもちゃを発見したお母さんも、お子さんに「○○ちゃん、これは病院に返そうね。みんなが遊ぶおもちゃだから、これがないとほかのこどもたちが寂しいでしょ。レールもコロコロくるまがいなくて寂しいでしょ」と話してあげてください。

 「これ、うちのこどもが間違って家に持って帰っていました」とひとこと言って、NCCにおもちゃの一部を返すことは何にも恥ずかしいことではありません。お子さんがおもちゃをちゃんと自分の手で返すことができたら、「○○ちゃん、えらいね。これでみんなが遊べるね。」と精一杯ほめてあげましょう。スタッフもきっと大いに喜んで、心からほめたたえるでしょう。逆に、お子さんが道徳観念を学習しないままでいること、お母さんがうしろめたい気持ちを抱え続けるのは問題です。僕はとても心配です。

 コロコロくるまよ、みんなが待っているから、早く戻っておいで。

 最後に、みんなのおもちゃを大事にすること、乱暴にあつかってこわさないようにしつけることも忘れないでくださいね。

 「みんなのすきなおもちゃ、ひっぱるくるまがしんでしまいました。きょうりゅうは、あしのほねをおられて、にゅういんちゅうです。せっかくみんなのともだちになれたのに、かわいそうだね。みんなも、おもちゃがいなくなるとさびしいだろう?おもちゃをたいせつにしようね。」

 これは、ぼくからこどもたちへのメッセージです。

(2004年2月2日)

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