8月1日に当院も満5歳の誕生日を迎えました。5年前には未熟な赤ちゃんでしたが、いろんな面で立派に成長し、個性も十分すぎるくらいに育ちました。見学者が訪れるような先進的なITクリニックになりましたし、いろんな健康情報・育児関連情報を提供するパンフレットも随分増えました。漢方薬の処方量も少しずつ増えています。しかし、もっとも伸びたのはこどもたちの間でのこの「ぞうさん病院」の人気かもしれません。
満5歳になったのを記念して、7月31日にコミセン和白で子育て支援ふれあいコンサートをしました。日頃コンサートには縁遠い、子育て中のお母さん、こどもさんたちを対象にしたコンサートです。出演は福岡が誇る音楽集団、JOY倶楽部アンサンブルです。JOY倶楽部は福岡市博多区にある知的障害者のための社会福祉法人ですが、音楽や美術・工芸を仕事にしているところが全国的にも非常にユニークな団体です。JOY倶楽部アンサンブルの演奏は「ウールの持つ肌ざわり、アナログ感覚の優しさ」と表現されていますが、何よりもステージでの演奏を心から楽しんでいる彼らの輝く表情が、聴衆に音楽の楽しさや感動を与えてくれます。できるだけたくさんの人たちに彼らの生のステージを楽しんでいただきたいと思い、このコンサートを企画しました。そして、演奏中にこどもさんが少々泣いても我慢してもらうよう、曲目もこどもたちが楽しめるものを中心にしていただくようお願いしました。
当日は、まずクマさんが「おとなからこどもたちへ~何を伝えるべきか~」という話で前座を務めました。この地球、この時間、ここにこうやって生きていること、それは奇跡です。だから、地球を大切にしよう、命を大切にしよう。あなたは世界中、宇宙中でただひとつの存在です、あなたのその奇跡を大切にしよう。だから自分らしく生きよう。というメッセージを語りました。そして、お母さん、お父さん達にはこどもにはもっと遊びを!おとなもこどもの心を失わずに!こどもは親の姿をみながら育つことを忘れずに、というアドバイスをしました。
そして、いよいよJOY倶楽部の演奏が始まります。いつもながらの、暖かく、優しく、楽しい演奏です。ステージ上の彼らは、誇らしげに、楽しげに演奏しているように見えます。それを見て、僕たち聴衆も心から楽しくなってきます。クマさんの話の時にはうるさかったこどもたちも、彼らの演奏が始まるとおとなしく聞き入っているのが印象的でした。予想通り、JOY倶楽部の音楽は小さいこどもたちの心をもとらえてしまうんですね。1時間がアッという間にたってしまい、アンコール曲の演奏まで終わった時には、僕たち聴衆の心はすっかり満たされたようです。会場を去る親子の表情は、どれもとってもハッピーそうでした。
何人ものこどもたちから「先生、楽しかったよ」と声をかけてもらえたので、僕もとってもハッピーでした。このコンサートに来てくれた人たちは、音楽の楽しさを存分に味わえたと思います。でも、それだけではなく、障害を乗り越え、楽しみながら一生懸命に頑張るJOY倶楽部のメンバーの姿から、「どうすればより良く生きていけるか」という命題に対するヒントを感じたりしてくれたに違いないと思いました。彼らは、神さまから私たちにつかわされた天使たちなのです。
総括です。とってもいい子育て支援コンサートができたと思います。何かしら感じるものがあり、得られるものもあったでしょう。そして、皆さんが心から楽しむことができ、ハッピーになれたことが何よりも素晴らしいことです。クマさんは、ぜひまたこういう機会を作りたいと、心から思いました。
(2005年8月1日)