6月1日から外来保育士として藤原さんが当院のスタッフに加わりました。待ち合い室での保育が担当です。診察を受けない兄弟児の面倒を見たり、こどもたちに絵本の読み聞かせをしたり、待ち合い室での事故が起きないように目を光らせたり、お母さん方の育児相談にのったり、待ち合い室の飾り付けをしたり、いろいろな仕事をします。
実は、待合室に保育士さんを配置したいというのは何年も前から考えていました。親子のふれ合い方、こどもたちの行動や発達の状況を観察したり指導したりできる、絵本の読み聞かせや親子遊びの指導を日常的にできる、お母さんたちの相談相手になってあげられる、そういうプロフェッショナルが待合室に欲しかったからです。これまでも保育士の資格を持った若い事務スタッフが2人いて、保育士らしい気配りやこどもたちとのふれ合いをしてくれました。でも、保育の仕事だけを担当するスタッフは初めてです。今回は、毎月NCCの育児教室で親子遊びの指導をしていただいている梯さんに、お母さんたちの育児相談にものってあげられるよう子育て経験がある保育士さんを紹介して欲しいとお願いしたのです。
小児専門病棟に保育士を配置している病院は少しずつ増えていますが、クリニックで外来保育をしているところはまだ少ないと思います。多数のこどもたちが短時間で診療を受けて帰っていくバタバタしたクリニックの中で、保育士としてどういう形で仕事をするか、教科書もなく手探り状態で試行錯誤してもらうことになるでしょう。でも、きっといい形が自然にでき上がってくるのではないかと僕は思っています。
「待合室にも看護を」と考えて看護師を待合室に配置しましたが、隔離が必要なこどもさんや具合が悪く治療を急ぐこどもさんを早く発見したり、病気のホームケアや予防接種の相談にのってあげたりできるようになったのは、大正解でした。今度は「待合室にも保育を」です。看護師と保育士がいる待合室は、お母さん方にとっても僕にとっても安心できる場所になりそうです。
保育の経験も子育ての経験も豊富な藤原さんです。きっとお母さん方の良きアドバイザーになってくれるでしょう。よろしくお願いします。
(2006年6月1日)