ずいぶん寒くなってきました。インフルエンザこそまだありませんが、感染性胃腸炎、溶連菌感染症、水痘などの感染症が増え、その他のかぜも多いので、小児科の外来は1年でも一番忙しい時期になってました。当院でも、普段は1時間に10~12人の診療枠をこの時期には14~16人に増やさざるを得ません。待ち時間をできるだけ30分以内におさえるため必死の努力をしていますが、皆さんのご協力も必要です。そこで、今回はクマさんから皆さんへのお願いを書いてみます。
冬場は1人4分前後で診療するわけですが、話を聞いて診察し、診断を下した後に処方して説明するという作業を4分で済ませるのは結構大変です。検査や処置をするとなるとさらに時間がかかります。容態の悪いこどもさんの救急処置や、入院依頼・紹介状作成に時間をとられることもあります。したがって、この時期のクマさんはそれこそ1秒も無駄にしないよう心がけて診療しています。
診療の質を落とすことなしに、診療時間6分を4分にするためにできることは何でしょう?話を聞くこと(病歴を取ると言います)、診察は正しい診断のために一番重要なポイントですから削れません。ただ、メモを見ながら病気の経過を要領よく説明してくださるとホントにありがたいです。処方する作業は、普段から電子カルテで極力効率化しているので、短縮できません。となると、説明です。普段は懇切丁寧な説明・指導を心がけていますが、この時期は看護士の説明やパンフレットで代用することもやむなし、と考えています。また、診察のついでに予防接種や育児のことなどの相談を受けることも多いのですが、この時期は急がない相談はメールでお願いしたいと思います。必ず返事を差し上げます。最後に、診療以外のことに無駄な時間を取られないことも重要です。順番が来て名前を呼んでもなかなか診察室に入って来られない、診察の時にすぐに胸やおなかが出せない、診察が終わった後診察室でゆっくり衣服を整える、どうかするとついでにオムツを交換する、その30秒がもったいないのです。
予約のルールを守っていただくのも大切です。ある診療枠の患者さんが2~3人まとめて遅刻されるとどうなるでしょうか?クマさんが診療できない時間がポッカリとできてしまい、その後は1人当たりの診療時間をさらに短縮しなければ遅れが取り戻せなくなります。キャンセルの連絡なしに来院されないドタキャンは最悪です。ホントはその時間に診てもらうことができたはずの他のお子さんにとって大いなる迷惑です。当院の電子カルテにはドタキャンの履歴もすべて残っていることを披露しておきましょう。
病気が多いこの時期ですが、こどもたちのためにお互いに協力・努力し、できる限りスムーズな診療体制を築いていきましょう。
(2006年12月1日)