福岡市東区和白 医療法人育慈会 ならざき小児科

子育てのための医療

クマさんの「タミフルの話」

 先週から和白地区でもB型インフルエンザの流行が始まりました。そこで今回は、インフルエンザの治療薬オセルタミビル(商品名タミフル)をめぐるトピックスのいくつかを紹介しましょう。

 昨冬、乳児に対するタミフルの危険性が報道され、あたかも乳児にはタミフルが使えないかのような誤解が世間に広まりました。報道されたのは、動物実験でこどものねずみにタミフルを与えたところ、脳内の薬物濃度がおとなのねずみの1500倍もの高値を示したというデータです。しかし、その実験で与えられたタミフルの量は、体重当たりに換算すると、こどもに対する通常の投与量の500倍にも相当します。したがって、危険性に関して十分な根拠のあるデータとはとても言えません。ただ、メーカーが十分な臨床実験(治験と言います)をしていないため、こどもに対する安全性、有効性がまだ完全に確立されていないことも事実です。治験には膨大なお金、時間、手間がかかるため、社会においてマイナーな存在であるこども、妊婦、授乳婦について十分な治験を行うメーカーは非常に少なく、たいていの薬の説明文書には「小児、妊婦、授乳婦については安全性が確立されていない」という文言がつきものです。薬を開発・販売して利益を得るメーカーにとって、そのような治験は面倒で経営的に損なのかもしれませんが、医療に関わる業種としての社会的責任を放棄していると言っても過言ではありません。前のクリントン米大統領も、メーカーに対して小児に関する治験を早急に拡大するよう声明を出したことがあります。

 先のデータを理由に、乳児にタミフルを使えないというのは間違っています。日本小児科医会は厚生労働省に対して、マスコミで報道された危険性が本当に使用禁止につながるだけの科学的根拠はないと抗議しました。それに対して、厚労省は危険性と利益を十分考慮し、かつ保護者にタミフルに関する説明を十分に行い、同意を得た上で慎重に使用するようコメントを出しました。つまり、使っていけないということではありません。現時点でタミフル以上に有効性、安全性にすぐれた抗インフルエンザ薬はないし、小児のインフルエンザ関連脳症ほど怖い病気もないので、当院ではインフルエンザの診断が確定された乳児に対してはタミフル投与を原則としています。

 新聞でも報道されましたが、昨年7月にタミフルがインフルエンザの予防に効能があることが追加承認されました。詳しい内容が報道されないため、だれでも予防のためにタミフルを使えると誤解されているかもしれませんので、ここにその内容を書きとめておきます。1)インフルエンザ患者との接触後短期間の予防が目的ですから、ワクチン接種の代わりになるものではありません、2)対象になるのは、インフルエンザ患者と同居している65歳以上の高齢者と13歳以上のハイリスク疾患患者(慢性の呼吸器疾患や心臓病、腎臓病、糖尿病など)、3)使用方法はインフルエンザ患者と接触後2日以内に内服開始し、1日1回1カプセルを7~10日間連続内服する。大事なことは、予防のための使用に関しては問診、薬剤費、調剤料などに一切保険がきかないことです。また、こども用のドライシロップは予防のためには使用できないことになっています。

 最後に、日本では来るべき新型インフルエンザの大流行に備えて国家的なタミフル備蓄を始めたことを付け加えておきます。新型インフルエンザに関してはまた別の機会にしましょう。                      (2005年1月30日)

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