第13回:「良く生きるためにどう食べるのか」 | ならざき小児科 福岡市東区の小児科。病児保育も併設。

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子育ておしゃべりコーナー

第13回:「良く生きるためにどう食べるのか」

 子どもが生まれたばかりのときには、親は誰しもよく食べ、よく遊び、よく学ぶ元気な子になってほしいと願っています。這えば立て、立てば歩めの親心だったはずなのに、いつしか「勉強」という名の早期教育や幼児教育に没頭していく親が多いのが現代の突出した「知育」の現状ではないかと思います。

 我が家には4人の子どもがおりますので、知育の大切さは否定しませんが、我々はある方針を貫き通しました。それは、原則的に塾に縛られる生活はさせないことです。夏休みや弱点克服など本人が納得した際には、短期間利用することはありましたが・・・

 それは、勉強の「できがいいかどうか」は結果であり、人生で大切なのは「自ら学ぶことができること」と思っているからです。ですから、小学校時代は思いっきり遊ぶこと、中学校・高校時代は部活をやり通すことを勧めました。世間一般の事情と違うことをやっているので全く不安がなかったとは言えませんが、結果的には、どの子も自分らしくそれなりに頑張っておりますので、正直言って子どもたちに感謝し、ほっとしております。

 方針と偉そうに言っておりますが、その実は自分のことで精一杯で、教育ママをやってられなかっただけかもしれません。しかし、私自身予防医学に関わってきた仕事がら、また家族の入院を経験したこともあって、人生の基本はやはり「こころとからだの健康」にあると思っています。健康は人生のすべてではありませんが、健康を失うと人生の多くのものを失うことになると誰もが思っているのではないでしょうか。昔から「誕生と往生の間に養生あり」という言葉があるように、「生きるための養生」、今の言葉に言い換えると「健康づくり」でしょうか、がとても大切なことです。

 食べ物・食べ方次第で体を良くも悪くもしますので、私は塾よりもむしろこっちの方に神経を使いました。テレビの CM など誘惑の多い世の中ですので、何をどれぐらい選んで食べるのかという力を育てるのが大変ですけれども、子ども達に対する「食育」は「知育」に劣らず大切なことだと思います。日本の学校給食は食材から献立、栄養素にいたるまでとてもよく研究されていますが、しかしそのすばらしい内容が子ども達に伝わっているかはとても疑問です。18 年間義務教育とつき合ってきた経験で言いますと、子ども達に対する「食育」はとてもおろそかにされていると感じます。「食事」ではなく「食餌」になっているのではないでしょうか?

 物の本によりますと「食育」というのは下記の五つの能力を育てる教育です。

  1)食べ物を選択する能力

    体に良いものかどうかを考えたり、選択できる能力

  2)味がわかる能力

    健康につながる味覚を知る能力

  3)元気な体がわかる能力

    自分の体のもっとも元気な状態を感じ、つねに健康でいられるように、自分をコントロールする能力

  4)料理する能力

    五感を総動員させて行う料理は、想像力や、集中力、計画力を育てます。

  5)食べ物の育ちを感じる能力

    自然を感じ、感謝するこころ。 

 ただし、食について何かを子どもに「教える」とか、「しなさい!」と命令するのではなく、毎日の生活の中から築いていくものです。それにはまず、親自身が食について関心を持つことが一番重要だと思います。親の食習慣がそのまま子どものお手本になるからです。親自身が清涼飲料水が大好きなのに、子どもには「だめよ」と言っても無理があります。健康に元気に育ってほしいなら、それなりの環境を整えてやらなければなりません。

 子ども達が自分で自分の健康を守るため、健全で豊かな食習慣を作る能力を育てることは、強いては人生を力強く豊かに生き抜く能力につながっていくものと思っております。

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