WHO(世界保健機構)の統計の中に、日本男子がG7のトップを走る項目があります。大和撫子は逆に最低ですが、しかし、若き撫子の間では男女平等をうかがう兆しも見られます・・・さて、何だと思われますか?
アメリカでは「依存症」という精神疾患に分類されているもので、「セルフコントロールの出来ない人」という社会的にマイナス評価も受けるのだそうです。何を隠そう、群を抜いてトップを走るのは「日本男子の喫煙率」です。
<日本の喫煙率 男性:52.8%、女性:13.4%>
日本はG7 の一国、いわゆる先進国の仲間です。外国人から見れば日本は大変「清潔な環境」の国です。上水道の水をそのまま安全に飲める国なんて、そう多くはないのです。すごい先進国だと思います。しかし、その分日本人はとても「無防備」です。海外旅行に行ってコレラに罹るのは日本人ばかりだそうです。安全呆けで「自分の健康は自分でと」いう自己防衛観念が不足しているのではないでしょうか。 ですから、何を指して先進国と呼ぶのかが大変問題ですね。物質的な文明先進国でもこころの豊かさ賢さはどうかな?と思うことが多々あります。「喫煙」がその1例です。
喫煙が及ぼす健康被害というのは、各種調査・研究からすでに明らかになっています。肺がん・喉頭がんを筆頭とするすべてのがん、高血圧や虚血性心疾患・脳卒中といった循環器の病気、喘息・肺気腫などの呼吸器の病気、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、早産や低出生体重などなどたくさんあります。最近では、乳児突然死症候群でも保護者のたばこが原因の一つではないかと言われています。
欧米では国民の健康のため、特に青少年保護のため、たばこの広告規制が当たり前のこととして実践されているし、国民の喫煙率もどんどん下がっている。それに対して、日本はたばこ輸入大国、たばこ広告大国、その上自動販売機で青少年はいつでもお小遣い程度で手に入る。こんな国が先進国の仲間と言えるのでしょうか?とても不名誉なトップですね!
ちなみに、先日クマ院長と娘と3人で高知のアンパンマンミュージアムに行ったとき、岡山から土讃線のアンパンマン列車にルンルン気分で乗りましたが、クマ院長が突然思い立った旅行でしたので、やむを得ず喫煙車両に乗ってしまいました。煙り責めで到着頃には、全員頭くらくら、胸ムカムカ・・・あ~立ってでも禁煙車両で行くべきだった。しかし、子どもたちもいっぱい乗っていたのに、何も考えずにタバコを吹かすお父さんたちや若き撫子の顔が私には悪魔に見えました。その夜は高知市のとある格調高そうな旅館に泊まりましたが、1歩玄関に入ったとたん嫌な匂い。ロビーの至る所に灰皿が置かれ、所かまわずタバコが吸える環境なんです!部屋は大丈夫だろうと思いつつ案内された部屋に行ってみれば、たまげたわ!ヤニの臭いが・・・夜通し窓を開けて寝ました。東京都千代田区の歩きタバコ禁止条例に比べ、今どき珍しいタバコに無頓着なエリアでしたね。
特に小さいお子さんをお持ちの方は、ぜひ親になるのを一つのきっかけにして、自分のため赤ちゃんのため、たばことお別れしましょう。健康被害を覚悟して吸い続けるならば、完全分煙しましょう。なぜなら、あなたが吐き出す紫煙は死神です。赤ちゃんに吸わせないようにしてください。喫煙習慣は、こどもにとっていいお手本ではありませんので、見せないようにしましょう。
もちろん、ならざき小児科は「健康を考えて全館禁煙」でございます。
(注)アンパンマンミュージアムは楽しかった!