第17回:「新老人のオーラ」 | ならざき小児科 福岡市東区の小児科。病児保育も併設。

福岡市東区和白 医療法人育慈会 ならざき小児科

子育ておしゃべりコーナー

第17回:「新老人のオーラ」

 2002年師走のある日曜日、たまたま神戸から帰ってきた娘を誘って、日野原先生の講演を聴きに行ってきました。

 私が日野原先生のことを初めて存じ上げたのは、20 数年前私が保健分野の仕事についてしばらくの事でした。私の古いノートにその時の、先生が何かにお書きになった文書の書き抜きがあります。

 「ただ長生きしているだけの人生は無駄である、人生を如何に生きるかに価値がある」

 その時すでに70歳代の先生のこの言葉に、衝撃と驚きと感動を覚えたのでした。価値ある人生というのはどんなものかと考えるようになった言葉です。

 最近、先生が「新老人の会」をお作りになりましたが、その参加資格は75歳以上、はつらつとボランティアに励んでいる等、いくつかの条件があります。福岡市にも支部があるそうですよ。価値ある人生をどう生きるかということを示唆する活動です。新老人を目指そう!と思う、今日この頃の寅でございます。

 講演会のテーマは「コミュニケーション」。先生はコミュニケーションのハウツーにはほとんど触れることなく、感性を磨くようにと言われました。若いときから多くのことに興味を持ち、チャレンジすること、体験することの大切さを説かれました。そして、常に学びのこころを持ち、ボランティアが出来ることを感謝し喜びなさいと、淡々と語られていました。

 こどもとのコミュニケーションについても少し触れられました。子どもの目線と同じレベルに大人が下りて一対一の会話をするようにと奨められました。当日の講演会場の聴衆は10代の高校生から70代の高齢者(新老人かどうか?)までと、かなり年齢の幅が広く、講師としてはとてもやりにくかっただろうと思いますが、先生の冒頭の言葉は「今日は最も若い方にメッセージを送ります、このレベルに合わせられる方は若々しい感性をお持ちの方だと思います」。大人レベルの内容をこどもに押しつけるのではなく、大人が余裕を持ってこどものレベルに合わせることのお手本を示されたようでした。

 コミュニケーションというのは、テックニックよりも、自分自身の内面を豊かに満たすことによって自然に他人に優しくなれるということ。そうすることによって自然にコミュニケーションがうまく取れますよと、おっしゃっておられるように聞こえました。

 講演会を聴きながら、若いころクマ院長から「オヒスレディー」なる称号をつけられ、つけられたことにもプンプンしていた自分を思い出しました。今考えてみると、家族にガミガミ言っていたあのころはやはり自分自身に中身も余裕もなかったように思います。あの頃の自分の姿がとても恥ずかしい気がします。こどもとの関係に悩むようになって、出口を求めて本を読んだりひとの話に耳を傾けたり、自己改造に努めたりしましたが、結果的にわかったのはこどもを管理しようと思うとうまくいかない、子どもと対話することでイライラが減り、ガミガミも不必要になるということでした。「親が変われば子も変わる」を実感しました。こどもにいろいろ要求する前に、まず親として、人として成長し続けなければ・・・・新老人のオーラを受けながら改めて決意した1日でした。

 

<新米ママ成長メモ9:反省と期待を込めて>
 「ボランティアが出来ることを感謝し喜びなさい」に込められている「ボランティア」の意味は、いま日本で普及している「経費ボランティア」のようなものではなく、「100% 奉仕」だそうです。本当のボランティアというのは余力でするのではなく、一定の自己犠牲を伴う奉仕でなければならない、そのことに感謝と喜びを・・・とおしゃっておられます。今の私は、家族に対しては自己犠牲を伴う奉仕によって感謝と喜びを思うことはありますが、他人に対しては未だにこの境地に至らず、目指す道のりはまだまだ遠く険しいの感があります。修行せねば・・・

診察・ワクチン接種のご予約はこちらからどうぞ!

みなさまの関心の高い記事

病児保育室ぞうさんの家
診療・健診・ワクチン接種 インターネット予約

ネット問診票はこちら

●診療時間

時間
9:00〜12:00-
13:30〜15:00---
15:00〜18:00---

月間診療スケジュール

受付時間 8:00〜12:00/13:30〜17:00
13:30から15:00の間はワクチン接種・健康診断のみを行っております。

初めてお越しの方へ

●所在地
〒811-0202 福岡市東区和白5-7-16

当院までのアクセス

スタッフ募集
管理栄養士による栄養相談
診療券は大事な情報