福岡市東区和白 医療法人育慈会 ならざき小児科

子育ておしゃべりコーナー

第19回:「『エンゼルプラン』って誰のため?」

「日本の子どもはいつ家族と過ごすのですか?」
「こういう育児環境って幸せですか?」

 ある時、外国から来た見学者に日本の「エンゼルプラン」の説明をしていて、上記のような質問が飛び出してきました。私は答えに窮してしまいました。

 なぜなら、我が国の少子化社会対策である「エンゼルプラン」では、緊急的な最重要課題のほとんどが「保育対策」だからです。延長保育から始まり夜間・休日・病後児保育といった具合に、多様な保育サービスを推進してきました。待機児童を減らすため、認可保育園の規制緩和もありました。

 私が新米ママだった頃に比べれば、確かに預けやすい保育環境は整ってきました。しかし、乳幼児を長時間親から引き離す保育施策が果たして本当に「エンゼル」のための「エンゼルプラン」なのかどうかは、ママさんに限らずパパさんたちにもよく考えて欲しいと思います。

 男女雇用機会均等法により女性の社会進出の機会が確実に増えてきました。そのためには働きやすい環境づくりが必要、だから預けやすい保育サービスの充実が必要という論法は、一見非の打ち所がないように思います。しかし、実際には単に女性の企業戦士を量産するための体制作りであり、しかも家事・育児は女性がすべきという性別固定観念は相も変わらぬ社会状況ですから、女性はますます”頑張らなくては”やっていけない世の中のように思えてなりません。

 私はエンゼルプランが最初に発表された平成6年から、『「エンゼルのための」親の働きやすい環境=エンゼルを預けやすい保育環境』ではないと、ずっと思っていました。後に出た平成11年の「新エンゼルプラン」の基本方針に「働き方についての固定的な性別役割分業や職場優先の企業風土の是正」という項目を見たときには、やっと日本でも企業戦士であるパパさんたちの家庭回帰が始まるのだとエンゼルのために喜びました。そして、さらに平成14年の「少子化対策プラスワン」の四本柱にも「男性を含めた働き方の見直し」というフレーズまで登場しています。

 しかし、未だに「男性の育児休業の取得率」がすずめの涙にも満たない状況にあります。逆に育児休業が取れないママさん企業戦士のために、乳児保育制度を新たに設けたりしています。国は本気で「働き方の見直しについての社会的コンセンサス」を推進する気があるのかとても疑問に感じています。

 ちなみに、平成14年の出生数も合計特殊出生率も史上最低の記録を更新していますが、これは保育対策だけでは安心して子どもを産もうという気にならないという気持ちの反映ではないでしょうか?

 子どもの心身の成長の基本はやはり家庭です。こころの成長には「父性」も「母性」も必要です。年齢や場面によって、母性が前面に出たり父性が前面に出たりのバランスが大切です。一人の親ですべてを背負うにはやはり荷が重い。家庭での愛され・愛するの人間関係を十分に育んでからでないと家庭の外での競争から始まる人間関係に耐えることが出来ない、子どもが小さければ小さいほどその影響が大きいと言われています。ですから、家族で過ごす十分な時間が取れるような育児支援施策こそが本当に必要な「エンゼル」のための「エンゼルプラン」ではないかと常々思っていましたので、冒頭の質問は私の中にある疑問でもあったわけです。

 人間は自己表現のために働くことも確かに重要ですが、太古から続いてきた遺伝子の伝承は限られた人生の中の限られた時間にしかできない種としての大切な仕事です。今の時代だからこそ、こころ豊かな成長を願う育児支援を考えましょう。

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