福岡市東区和白 医療法人育慈会 ならざき小児科

子育ておしゃべりコーナー

第23回:オンリーワンの自分らしさ

 皆様もご経験があるかと思いますが、子どもが生まれると実にさまざまな「ダイレクトメール」や「電話セールス」が舞い込みます。わが家にも、オモチャ、子供服、早期知育の教材や幼児教室、家庭教師等々、ビックリするほどたくさん来ました。

 特に、0歳児からの幼児教室、入園準備コースやお受験コースなど、「今始めないと間に合いません!」「自立をお手伝いします!」というような魅惑的なキャッチフレーズに、私もこころが動揺した時がありました。以前にも触れましたが、主人の方針でわが子には塾などにしばられる生活はさせないという事で通してきました。幸いわが家ではどの子も個性豊かに自分らしく成長してくれたことに感謝!また、知人のように「大金をつぎ込み、幼児教室や受験塾に明け暮れる」ということもなくすんだので、主人の強い信念に感謝しているところでございます。 

 育児の究極的な目標は「社会に役立つ大人になる」ということで、それには身体の自立、こころの自立、生活(身の回り)の自立、経済の自立等々、人間は社会の中でこのように多角的に成長し自立する必要があります。中でも「こころの自立(こころの育ち)」により「自分らしさを持つ」ということが何よりも重要ではないかと思っております。

 こどもの精神発達の専門家によりますと、「自分らしさ」というのは心の欲求と社会のルールとの折り合いの反復学習から作られるそうです。「三つ子の魂百まで」と言われるように、出来るだけ人生の早い時期にこのような折り合いの学習を経験させた方がいいようです。ただし、乳幼児にとっての学習というのは、いわゆる早期知育の「お勉強」ではなく、日々の「生活」と「遊び」が基本です。早く字が読める、九九ができる、英語が話せるなどは、こころの育ちに何のプラスにもならないどころか、逆に実体験に溢れる生活時間や自由に遊んで自発性を育む時間が削られてしまうことが、子どものこころの健全な育ちを妨げている可能性があるとも言われています。

 つまり「自分らしさ」というのは、理性や情感を司る脳(前頭葉)の発達によって形成されるので、それには「お勉強」やテレビ・ビデオ・コンピューターゲームのような「バーチャル的な体験」のたぐいのものではなく、くすぐり・抱っこ・水遊び・砂遊び・どろんこ遊び・路傍の花の美しさや匂いを感じる・虫の命にこころを寄せる・本に親しむ・仲間遊び・お手伝いなどなど、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚という5感覚をフルに刺激する「生活と遊び」がいいのです。早期知育にはいろいろの「教育法」に基づくものもありますが、しかし、与えられた教材など一定的なプログラムに管理されるより、日常の生活の中で、近くの公園で、路地裏で、地域の様々な人間関係の中で、刺激を受けることの方がはるかに「自分らしさ」を豊かに広げることが出来るのだそうです。

 特に近年に見る若者の心の荒廃ぶりから考えますと、やはり幼児期には知育より自分らしさのこころ育ちの方を優先させるべきだと私は思うのです。「自分らしさ」の前頭葉さえしっかり発達させておけば、自然と考える力、判断する力がついてくるし、しなければならないことも自ずから分かってくるので、その時こそ知育の始め時ではないかと考えています。

 いままでわたしたちの社会は、子どもたちに対して、個性的な自分らしさよりも「上質な規格品」を期待してきたのではないでしょうか。赤ちゃんに限らず、学校などの集団生活では手がかからず、おとなしい「おりこうさん」が好まれるし、「1番」を尊び、個性的な子は嫌われる傾向にあります。こういう社会を作ってきたわたしたち大人の反省と改善が急がれるべきなんです。

 しかし、社会の変化を待ってはいられません。もし早期知育をとお考えなら、まずは、子どもと一緒にご近所を探索したり、バスや電車に乗ったり、自然の多いところへ子どもを連れて行ったりしてみませんか。最近は、どこの地域にもボランティアさんが支援している育児サークルやサロンのようなところもありますし、また、地域の子供会活動、学校のPTAや自治会活動もあります。親が積極的に参加する姿は、子どもたちにとって素晴らしい刺激とお手本になりますので、是非お薦めしたいと思います。

 自然、異年齢児、親以外の地域の人々との触れあい、親の後ろ姿は、「オンリーワンの自分らしさ」を育てるための大切な栄養剤であることを、こころに刻んでおきたいものです!

(2004年4月8日)

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