第32回:マスク | ならざき小児科 福岡市東区の小児科。病児保育も併設。

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第32回:マスク

 昨年は新型インフルエンザの影響でマスクが品薄の状態が暫く続きました。みんながマスクを着用しているので、目だけでは誰なのかが分からないことが多く、物騒だなと思う時もありました。あるいは病気のこどもの顔色を観察するのにもいちいちマスクを外してくださいと言わなければならない状況でした。感染予防に効果があったのか否かについては、感染症の専門家から様々な意見が出されています。

 感染症にはそれぞれの感染様式があります。例えば日本脳炎は日本脳炎ウイルスを持っているコガタアカイエカに刺されることによって感染を受けるので、予防対策としては蚊が発生しない環境整備と日本脳炎ワクチンを受けることにあります。接触感染である嘔吐下痢症では保育者の手洗いの徹底が最も重要な感染予防対策であります。このようにマスクでは対応できない感染様式の病気もたくさんあります。

 最も厄介なのは飛沫核感染(空気感染)で、病気としては「はしか、水ぼうそう、結核」の3種類だけです。他の病気のウイルスは飛沫核だけの状態で空気中を漂うことができません。インフルエンザは原則的に飛沫感染です。飛沫は咳をした時などに口から飛び出す小さなしぶきで、2メートルくらいしか飛ばないのです。ただし、インフルエンザは例外的に空気感染も否定できないことがあります。

 では、マスクはどれだけ予防効果があるのでしょうか?これにはマスクの性能にもよりますが、もっとも性能の高いN95マスクを正しく着用すれば飛沫核も飛沫もブロックします。しかし、正しく着用すればまずは5分も持ちません。息苦しく、自分の息で内側はびしょびしょに濡れてますます息苦しくなってしまいます。この状態になっていない人は正しく着用していないということになります。正しくないと当然予防効果も低下します。日常生活には向かないマスクですね。では普通によく使われているサージカルマスクではどうでしょうか?飛沫核はブロックできませんが、飛沫はブロックしてくれるので、インフルエンザやいわゆる風邪などに対しては一定の効果があるというのが大方の意見です。特に患者が着用した場合、周りへの感染拡大予防にかなりの効果があります。100%ブロックはできませんが、感染の可能性を低くすることはできます。他人への配慮としてのマスクの着用は大切ですね。

 また、マスクは上気道内の湿度を高め、侵入してきたウイルスの増殖を抑えるというもう一つの効用もあります。自分を守るためにも積極的に着用しましょう。 

 外出時のマスク着用だけではなく、十分な休養とバランスのとれた食事、流行前のワクチン接種、帰宅時の手洗い・うがいも大切な予防対策であります。                
NCCぞうさん通信第52号(2010年12月)

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