今年の夏、診療所の待合室側に節電に貢献してくれていたグリーンカーテンが広がり、きれいな朝顔がたくさん咲いていました。花もいいけど、せっかくなら花のあとに食べられるものもあればもっといいな・・・とスタッフ一同が。それであーだこうだと結論に至らずに混線していたので、花壇を管理してくれている園芸専門の東さんに訊ねることにしました。話を伺ってびっくり!ヘエ~そうですか!植物は人間と同じなんだ!と目からうろこでした。
まず一つ目はこういう話です。待合室は西側ですので朝日があたらない、朝顔は強いので夕日でもきれいなグリーンカーテンに育ちますが、私たちがもくろんでいるゴーヤなどは土も重要だが「朝日」が当たらないと育たないのだそうです。
南極では太陽の沈まない白夜と太陽の出ない極夜があり、極夜の間、昭和基地に滞在している研究者達は皆体調が悪くなったといいます。要するに朝日を浴びることで体内時計のリセットや脳内のセロトニンの活性化が高められ、精神状態の安定、安眠が得られ、老化防止にもつながるといういい効果があるのです。極夜では朝日がないので体調が悪くなるというのです。数年前から全国的に「早寝、早起き、朝ごはん」運動が展開されているのはこういう理由があるからです。
私が若いママだった頃、夏休み中、日曜日と盆休み以外は毎日6時半にはこども達と老人会が公園に集まってラジオ体操、ママ達も当番で出ていました。出勤する私にとってはこどもと共に気合で夏を過ごしたものです。最近では、6時半は早すぎるとか近所迷惑になるとかの理由で、お盆前後10日間ずつだけ、しかも7時や8時になったり、何たる気合いのない世界と嘆く私・・・まぁ、とにかく朝日を浴びるのはいいことであるようです、いにしえの知恵に「早起きは三文の徳」と言うじゃありませんか。
もう一つは「適材適所」の話。人にはそれぞれ向き不向きがあるのと同じように、グリーンカーテンという目的のためなら葉っぱの大きい植物の方がいいとのこと。能率主義でいきますと葉っぱの小さいゴーヤは却下されてしまう?ん・・・まあ、当然と言えば当然ですが、葉っぱの小さいゴーヤでも朝日をたくさん浴びれば役立つように茂ってくれるかも・・・と未練がましく期待も込めて、一番いい環境をゴーヤにあげて、隣にきゅうりとへちまにしようと密かに決意をし、鬼も笑う来年の収穫を皮算用しながら来年が楽しみじゃ!の私でございます。
NCCぞうさん通信第64号(2012年12月)