思い返せば、20世紀最後の年にクマさんが小児科を開業し、コアラさんの人生まで巻き込んで、両家族とも不安な世紀末を過ごしてまいりました。新世紀の初めての春はどんな春になるのかなと思っていたら、いつの間にかさくらの季節は通り過ぎてしまい、すでに初夏になりました。
ともに凝り性のクマさんとコアラさんは寝る時間以外はほとんど一緒。診療だけではなく、情報発信のための院内報・院内ポスター・ホームページの制作、ぞうさん文庫の充実策、院内コンピュータ・プログラムの改善、待合室BGMの選曲、待ち時間短縮対策、感染防止対策などなど、「忙しいが楽しげに」小児科の理想像に向かってまっしぐらって感じ。その間にも、クマさんは小児科専門書の執筆、小児科研究会での講演をこなし、コアラさんは今までと違うスキルを身につけました。しばらくホームページ更新ができなかったことを本人たちは冬眠と言ってますが、実に忙しい冬眠で、生き生きとしておりました。「この子は家ではぐったりしているのに、ぞうさん病院に来たら元気になるんですよ・・・」と言うお母さんの話を聞くと、目指している外来小児科に近づきつつあると感じます。二人ともきっととても充実した21世紀のはじまりだと思います。
子どもたちもそれぞれに飛び立ちの季節を迎えました。
幼稚園の頃に「幼稚園の先生になる!」と言っていた息子が、キャプテン翼の影響でサッカー選手になる、理科が面白くて理科の先生になるなどいろいろ変わりましたが、結果的には初志貫徹、この春幼稚園の先生になりました!その園にとって初めての男先生ですので、それなりに意義もあるし責任もある。小さいときから創造的な遊びが上手な彼ですので、きっと新天地を切り開けると信じてエールを贈ります。
4年前から東京の大学に行っていたもう一人の息子が、もう一度違う進路に挑戦したいと言い出したのは去年の春でした。私は学校が苦手で出来れば早く学校とさよならしたい方ですので、彼はきっと父親似でしょうね。やる気があるのなら親としては全面的に応援するよと言うことで、この春二度目の大学生活に入ることとなりました。常識・見識の広い人間になってくれるように祈っています。
クマさんにとって目に入れても痛くない一人娘のトンちゃんは、いろいろ悩んだ末に自分で決めた進路に見事スタートを切ることが出来ました。初めての一人暮らしに不安もありますが、寂しさを乗り越えて、優しくかつ芯の強い女性に成長してくれることを願っております。
もう一人高校受験を控えている息子が居ります。いまバスケットに夢中です。いつ受験体制に入るのかなと、親としてはハラハラしているところです。時々つい口やかましく言いたくなりますが、来年いい春が迎えられるように彼も考えているに違いないと信じて、あまり言わないように我慢しております。
寅さんの私はと言えば、陰の院長業(?)のほかに出稼ぎの本業があり、親業や主婦業もあります。本人は一生懸命やっているつもりですが、専業の人から見れば実にどれも中途半端に見えるでしょう。特に4月の人事異動で新しい職場に変わり、慣れない仕事とも戦っております。ますますすべてが中途半端ですね。振り返ってみると本当に忙しい春でした。
子どもたちはそれぞれ大きな一歩を踏み出しているので、親としては子育てが一段落したとホッとしている面もあるし、子どもたちと同じく1年生になったつもりで新たなスタートをきったという気持ちもあります。
学校崩壊、地域崩壊などなど、子どもを取りまく社会環境としては決して理想ではない時代に生まれて、よくぞここまで成長してくれた、と感謝したい!
みんな、ありがとう!