第8回:「2001年父の日に想う」 | ならざき小児科 福岡市東区の小児科。病児保育も併設。

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子育ておしゃべりコーナー

第8回:「2001年父の日に想う」

 私の父は10年前に他界しました。自分に厳しく、生涯医学の研鑽を怠らず、医者としてとても尊敬できる人でした。すごく家族思いの人でしたが、一言で表すと「優しいが厳格」。私の中にある父のイメージは「大きくて怖い存在」でした。5人兄弟の中では最も学業不振の私でしたので、父にとってはきっと心配の種だったと思います。出来の悪い子ほど可愛いとよく言われますが、可愛いかったかどうかは別として、とても大事に育ててもらったという思いはあります。

 昔タイプの頑固親父ですので、何かあるとすぐに「説教」されます、父の場合はとてもとても長い説教です。今となっては親心と理解できますが、当時は本当に親の心子知らず、このお説教はとても嫌でした。ちゃんと聴いてないとまた輪を掛けて怒られますので、嫌々ながらも聴かなければならない。しかし、嫌々ながら聴いていた「お説教」の中にも、私の人生に影響を与える言葉がいくつかありました。「鶏頭龍尾」というのもその中の一つです。

 字の如く鶏の頭と龍の尻尾。龍になるような努力は必要だが、無理に背伸びする事はない、自分の力量から見て龍(最高レベルの意)の尻尾(最後尾の意)になって振り回されるようなら、トリ(次レベルの意)の頭(最先頭の意)になった方が見通しがいいし気持ちもいいと言う意味です。「そうじゃないよ、腐っても鯛」とおっしゃりたい方も居られると思いますが、どんな立場にあっても高貴な志を忘れてはならないと言う教訓の言葉として私は理解しています。父の言葉は「もっと現実に目を向け、活き活きしているこそ意味がある」と言っているのです。現に私は自分の人生において、この言葉に随分と助けられたように思います。自分が龍尾になるべきか鶏に留まるべきかを選択しなければならないときに、先ず現実にある自分の力量を客観的に見て、無理に背伸びせずに決めることができたし、自分に合う世界で生きることができたと思います。とてもいさぎよく気持ちがいいというか、とても気持ちが「楽」です。

 私は我が子に対して「鶏頭龍尾」という言葉そのものは伝えていませんし、私の父のような伝え方も出来ませんでしたが、学業や人生でのいくつかの節目の折には、母の考え(価値観)として語ってきたつもりです。はたして彼らのこころに伝わったのかしら?という心配はありますが・・・

 人間にはそれぞれ違うが必ず天賦のタラント(いい素質)があります。自分のタラントを見つけて磨くことが最も大切のように思います。子育てや人間関係においても同じですね。完全な母・妻・嫁・隣人・友人になろうと無理するととても疲れます。ありのままの自分のサイズのタラントを受け入れることで、あるいはありのままの相手のタラントを受け入れることで、お互い無理せずに楽につき合えるように思います。子どもたちのタラントを見つめ、小さくてもいい、認めてやることによって初めて、子どもたちも光を放ち始めるのではないでしょうか。

 そういえばクマさんが昔から言っていた変な持論があります。神様から与えられた「美しさの量」というのは皆同じ、小さいときに光るか大きくなってから光るかの違いだけだって!(本当はこのあとに「骨包む皮と思えば美人なし」と続くのですが、今回は割愛させていただきます)。ひょっとして天賦のタラントも同じ理論かな? 無理すればストレスで曇ってしまう、ゆっくり磨けば光り輝く。どうでしょうか?クマさん。

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