十数年前に福岡教育大学のM教授とY教授の講演を聴く機会がありました。ちょうど子どもとの関係に悩んでいた頃でしたので、大変印象に残りました。今回は講演を聴いての私の感想です。
<その1>「子育てのさじ加減」
子育てのさじ加減は草木を育てる時と同じである。水加減が過ぎれば根腐れる、少なすぎれば葉枯れになる、暴風雨では折れやすし、囲い過ぎるともやしになる、やはり水加減陽加減、ときには雨風にもあたらせなきゃならぬ。愛情のかけちがいでは、根腐れ、葉枯れ、枝折れやもやしっ子になってしまいます。
日に多く当たらなければならない草木もあれば、水加減が少なくていい草木もあるのと同じように、子どもは一人一人性格も違えば感受性も違うので、当然育て方も一人一人さじ加減が違う。親なるものがこのさじ加減が出来るためには、まず我が子を生まれたときから見つめなければならない。我が子の性格・感受性をまるごと受け止めた上で、一人一人違う育て方をしなければならない。
<その2>「生き生きした表情をもつ、心豊かな子供を育むために」
「生き生きした表情をもつ、心豊かな子ども」ーこういう子どもの姿こそが、私たち親の最大の願いではないでしょうか?
しかし、今やいじめ・不登校・無気力・きれるなど、子どもたちには様々な現象が現れています。しかし、子どもたちが勝手にそうなっていったのでしょうか?
昔も今も変わらず、子どもたちは純粋なまま生まれてきています。変わったのは社会環境です。子どもたちが置かれている社会環境を作り出したのは大人です。ですから、子どもたちの様々の現象には大人に大いなる責任があります。「今どきの若者・今どきの子ども」と嘆く前に、大人が社会環境を良くしなければならないのではないでしょうか?大人が変われば子どもも変わる。
親として又社会の一員として、大変反省させられる内容でした。
講演の後、フロアからは「子どもが小さい時にこういう話を聴いておけばよかったのに・・・」という、後悔まじりの感想を述べられた方が居られました(同感!やはり新米パパ・ママは勉強しなくちゃ!)。「すでに問題発生している場合はどうすればいいのか?」(素晴らしい質問!私も知りたい!)といった質問もありました。
先生はこう答えられました:「子育ての軌道修正はいつでも始められる。気が付いたときに育て直しは出来るのです」、「親の都合を(愛も)押しつけるのではなく、子どもと話し合いをし、家庭の方針・ルールを確認しながら」、「愛されている・信頼されていると感じさせる」、「どんなさ細なことでもいい、さりげなく、大いに誉めてやること、そこから子供が自信を取り戻し、変化してくる」などなど。
非常に勇気づけられて会場を後にしました。