病児保育は、病気にかかっているあるいはまだ病気の回復期にあるこどもさんを預かって世話をするという、ご両親が働いておられるお子さんのための制度です。一度でも利用していただいたお母さん方には、当院の病児保育室「ぞうさんの家」は安心してお子さんを預けられると大変好評です。
ぞうさんの家は保育士3〜4名で運営していますが、保育室内での感染を防ぎながら質の高い保育をすることを理念としていますので、最大8名までしかお子さんを預かることができません。したがって、この定員をオーバーした場合には、キャンセル待ちをしていただいたり、時にはぞうさんの家のご利用をあきらめていただき他の病児保育室を紹介することもあります。そのため、インフルエンザの流行期など利用希望者が多い時には、1名分の枠が大変貴重なものになります。
ですから、病気の経過が良くなった、家でお子さんをみられるようになった、などの理由で病児保育の必要がなくなった場合には、急いでご連絡をいただきたいのです。8時半くらいまでにご連絡をいただければ、すぐにキャンセル待ちのお子さんに連絡して受け入れることができますので、お子さんもそのご両親も助かります。なんの連絡もいただけない場合にはスタッフから問い合わせの電話をしますが、それに応答されなかったりすると、1名分の枠を無駄にしてしまうことになります。せっかく利用できるチャンスがあった1組の親子に迷惑をかけることになるわけです。こんなことがあった日には、朝からスタッフみんなの気分が沈んでしまいます。
このような腹立たしくて悲しいドタキャンを防ぐため、キャンセル料徴収を試みた病児保育室があり、病児保育研究大会で報告されていました。その結果、キャンセルが著しく減ったそうですが、あまりにも寂しい話です。お金を取るのは簡単なことですが、ぞうさんの家ではそんなことまでしたくはありません。本来、この病児保育は助け合い精神から生まれたものです。保育園を休まざるをえなくなった時に困るのはどこの家庭も同じはずです。必要がなくなった枠は、すぐに他のお子さんに譲ってあげてください。自分がその立場であれば、そうして欲しいに決まっています。たった1本、わずか20〜30秒ですむ電話が他のこどもさん、お母さんには貴重なプレゼントなのです。
ぞうさんの家は最良の病児保育を提供することをお約束します。利用するご家庭も最低限のルールは守って、お互いに助け合いましょうね。ほかのお子さんにとってドタキャンが大変迷惑なのは、病児保育だけでなく、診療予約もまったく同じなんですけどね・・・
(2009年3月31日)