やっとぞうさん文庫が定着してきたようです。本の貸出がずいぶん増えてきました。こどもたちもお母さんたちも、たくさん本を読んで下さい。特に、小さいお子さんには、ぜひ絵本の読み聞かせをたくさんしてあげて下さい。こどもたちの心を育て、本への興味を広げ、親子の絆を強めて下さい。NCCも、良い本をそろえて協力します。
ぞうさん文庫と名付けた図書コーナーは、診察の待ち時間にも潤いと楽しみをと考えたアイデアの一つです。新しく購入した本が主体ですが、僕や僕のこどもたちが読んだ本もけっこうあります。この数年子育てのことを考える機会が多かったので、育児支援に関する本が多いようです。また、絵本の中にはぜひ大人の方に読んで欲しいものも少なくありません。現在、約300冊ありますが、今後もどんどん増やしていく予定です。
現時点で52冊の本が貸し出されていきましたが、こどもたちに人気があるのはやはりポケットモンスターや機関車トーマスです。お母さんたちには、「だからあなたも生き抜いて」「子どもがそだつ魔法の言葉」「こんな親が問題児をつくる」「子どもに”愛”と”笑い”をもたらす最高の方法」といった本が人気のようです。
テレビやゲームとちがって、本を読むという行為は想像力をかき立てます。本を読むことに没頭していると、行間からいろんなイメージが浮かんできます。いつのまにか主人公と一体化してさまざまな感情がわき上がってくることもあれば、作者と無言の対話をしている自分に気づくこともあります。
想像力が豊かなこどもたちにとって、お母さんから本を読んでもらうことはすごく刺激的で幸福な体験だと思います。テレビなんか消して、読み聞かせにふさわしい落ちついた雰囲気を作って、お母さん自身も物語を楽しみながら、ゆっくり感情を込めて読んであげて下さい。長い時間は必要ありません。適当なところで切って、「続きはまたあした」で良いのです。こどもたちは、次回の読み聞かせをワクワクしながら待つことになるでしょう。お母さんたちも、「ふーん、○○ちゃん、そんな風に思ったの。すごいね、やさしいんだね。」と語りながら、わが子の精神的な成長ぶりを感じ取ることができるでしょう。
(2000年11月10日)