植物は一次生産者として食物連鎖の基礎にあり、あらゆる植物を食べる動物(ヒトも含む草食)の攻撃に遭います。又、多様な病原性ウイルスや細菌の感染に遭うことも多々あります。彼らはただ運命のままにじっとしていると思われてがちですが、実はそうでもないらしいのです。食べられないように、滅ぼされないように戦っているという話です。
先ず、食べられないように物理的防御として、「とげ」などの武器を持つ植物があります。あるいは不快な臭いや毒となる物質を生産する化学的防御なる手段を備える植物もあります。時として食べた昆虫を死なせることがあります。
病原菌に対する植物の一次防御は人間と同じ「肌」という物理的な防壁です。その防壁が突破され、病原菌に犯されたとき、植物は二次的な防御として化学的反撃を開始し、菌が広がらないように殺菌したりします。病原菌の力が勝っているときに植物が枯死してしまいますが、菌も自らの生存を賭けているので、植物を枯死させずに利益だけ搾り取ることも多いそうです。まさしく人間と微生物との関係にそっくりですね。もう一つは身を切るシステムがあります。ある部位が病原菌に冒された時、二次的防御をしつつ、犯された情報を他の部位にも知らせつつ、犯された部位を封印し、自ら死ぬのです。時々一枚の葉っぱだけ、或いは一枝だけ枯れたという光景がありますね、これは植物と微生物の戦場の跡なのです。
また、植物は単独で暮らしているのではなく、生物群集の中で多くの種と相互作用して暮らしています。異種間では共生や受粉仲介者との連携で相互に利益を得ているのはよく知られていることですが、同種間には「早期警告システム」があると解ってきました。つまり虫に食べられているという攻撃を受けたある種の植物は揮発性分子を出して近隣の仲間に攻撃を受けたという「ニュース」を発信し、ニュースを受け取った仲間が防御に備えるように活動しだし、時には今の虫を食べてくれる別種の虫を引きつけるようにもなるのだそうですよ。
このように、植物は生えたところでただ運命のままにじっとしているのではなく、我々人間をも含む多くの動物の生存に貢献していると同時に、仲間の生存にも意識を持って能動的にかかわっているのです。何というすばらしい生き方なんだろうと感動せずにはいられません。
そして、我が身を振り返り、果たして自分のいのちはこのように他者のためになっているのだろうかと考え込んでしまいました。けなげな植物のように、パワフルに、ワンダフルに、そして、ビューティフルに生きていきたいと願う今日この頃でございます。
NCCぞうさん通信第74号(2014年8月)
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