もうずいぶん昔の話になりますが、読み聞かせ役のクマ先生にとって楽しかったのは、絵に愛嬌があって、文章が短くリズムがあり、読み方やストーリー展開にアドリブがきく絵本でした。ページをめくる時「今度は何が出てくるの?」とワクワクしているこどもの顔、いいですね。何度も読んでもらって展開を覚えてしまったこどもは、次に出てくるものを得意げに競って予告します。そんな時はちょっとページを飛ばします。こどもは「エッ」と驚いたり、「ズルイ、ズルイ」と文句を言ったりしますが、楽しそうです。踊るように読んだり、悲しそうに読んだり、読み方を変えるだけで、違った本に見えてきます。高等テクニックで読み手の創作能力を要しますが、勝手にストーリーを変えるのも面白いですよ。おんなじ絵本だけど毎回違う楽しみ方ができるので、僕の読み聞かせはこどもたちに人気がありました。
この本も、うちのこどもたちは「いない いない ばばあー」、「いない いない じじー」とかけ声をかけながら読むようになってしまいました。
(2009.1.1クマさん)